決する(読み)ケッスル

デジタル大辞泉 「決する」の意味・読み・例文・類語

けっ・する【決する】

[動サ変][文]けっ・す[サ変]
はっきりときまる。また、きめる。「勝敗が―・する」「雌雄を―・する」「意を―・する」
堤防が切れて水が流れ出る。また、堤防を破って水を流し出す。
「此手紙は私の半生思量が隄を―・して溢流したのである」〈鴎外・羽鳥千尋〉
[類語]決める定める定まる固まるまとまる決定する確定する決着がつく

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「決する」の意味・読み・例文・類語

けっ‐・する【決】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]けっ・す 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. きまる。決定する。また、決心する。
      1. [初出の実例]「ふるき額あり。『佐理・行成のあひだ疑ありて、いまだ決せずと申し伝へたり』と」(出典:徒然草(1331頃)二三八)
    2. 堤防が切れて、水が流れ出る。決壊する。
      1. [初出の実例]「右膳は『ワッハハ』と大河(だいが)の決(ケッ)するが如く笑って」(出典:雪たゝき(1939)〈幸田露伴〉下)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]けっ・す 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. きめる。決定する。また、判断をつける。決着をつける。
      1. [初出の実例]「けふは日くれぬ、勝負を決すべからず」(出典:平家物語(13C前)一一)
    2. 堤防を破って、水を流し出す。決壊させる。
      1. [初出の実例]「陂堤を決せし洪水の如く前進の勢に乗じたる斯国の大軍を」(出典:経国美談(1883‐84)〈矢野龍渓〉後)

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