精選版 日本国語大辞典 「定色」の意味・読み・例文・類語 てい‐しょく【定色】 〘 名詞 〙① 旧日本陸軍で、兵科を識別するために襟部につけたもの。憲兵(黒)、歩兵(緋)、騎兵(萌黄)、砲兵(黄)などであったが、昭和一五年(一九四〇)兵科区分撤廃で廃止、各部の識別につけるのみとなった。海軍ではズボンにつけて識別線と称し、機関科(紫)、軍医科(赤)、主計科(白)、造船科(鳶)などを用いた。[初出の実例]「定色(テイショク)のズボン条と共に腰を流るる銀光の佩刀の紐皮も改って」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉春)② きまった色。そのものに特有の色。[初出の実例]「囚人には定色のやうな媒(すす)けた壁土色は栄養失調が説明しなくてもわかる」(出典:死刑囚と其裁判長(1922)〈中西伊之助〉一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例