佩刀(読み)はかし

精選版 日本国語大辞典 「佩刀」の意味・読み・例文・類語

はか‐し【佩刀】

〘名〙 (動詞「はく(佩)」に尊敬助動詞「す」のついた「佩かす」の連用形名詞化したもの) 貴人太刀を敬っていう語。貴人の佩刀(はいとう)多く「みはかし」の形で用いる。はかせ。
※栄花(1028‐92頃)鶴の林「さべき帯、はかしなんどはかねて御堂におかせ給て」

はかせ【佩刀】

〘名〙 「はかし(佩刀)」の変化した語。多く「御」をのせて用いる。→おんはかせみはかせ
※文明本節用集(室町中)「帯刀 ハカセ 太刀名也」

はい‐とう ‥タウ【佩刀】

〘名〙 刀を腰につけること。また、その刀。帯刀。
正倉院文書‐天平勝宝八年(756)六月二一日・東大寺献物帳「黒作懸佩刀一口」 〔後漢書‐郭憲方術伝〕

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デジタル大辞泉 「佩刀」の意味・読み・例文・類語

はかせ【佩刀】

はかし」の音変化。〈文明本節用集〉→みはかし

はい‐とう〔‐タウ〕【×佩刀】

[名](スル)刀を腰におびること。また、その刀。帯刀。「佩刀した武士

はかし【佩刀】

《「は(佩)かす」の連用形から》貴人の帯びている太刀をいう語。みはかし。

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普及版 字通 「佩刀」の読み・字形・画数・意味

【佩刀】はいとう(たう)

身におびている刀。〔大唐新語、五〕安金~則ち佩刀を引いて自ら(さ)き、其の五皆出づ。~則天武后)聞き、~人をして五を却(かへ)し(い)れ、桑の白皮を以て之れを合し、を傅(つ)けしむ。經宿にして、乃ち(よみがへ)る。

字通「佩」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の佩刀の言及

【刀剣】より

…秦の簡公6年(前409)に〈吏をして初めて剣を帯びしむ〉とあるように,官吏の身分象徴として佩剣の風がやがて広まり,前漢には〈皇帝より百官に至るまで,剣を佩びざるなし〉といわれた。しかし武器としての鉄刀が銅剣や鉄剣にとってかわるにともなって,佩剣も佩刀へと変化をみせる。後漢王朝はその儀礼制度のなかに百官の身分等級を示す佩刀の規則をことこまかに規定したが,南北朝から隋・唐においても,その傾向は変わることなく官品の差を表徴する機能をもった。…

※「佩刀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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