宮本英脩(読み)ミヤモト ヒデナガ

20世紀日本人名事典 「宮本英脩」の解説

宮本 英脩
ミヤモト ヒデナガ

明治〜昭和期の刑法学者 京都帝大教授。



生年
明治15(1882)年5月17日

没年
昭和19(1944)年4月22日

出生地
茨城県

学歴〔年〕
東京帝大法科〔明治38年〕卒

経歴
判検事を経て、大正5年京大助教授、8〜10年ヨーロッパ留学、新派刑法学心酔。10年教授。同僚滝川幸辰応報刑論に対し愛の刑法観に立ち教育刑論を展開。犯罪論では一般規範的評価と可罰的評価を峻別前者観点から主観的違法論を、後者の観点から犯罪徴表説を展開。のちの可罰的違法性論の源流をなす。昭和8年滝川事件(京大事件)で退職するが同年12月復職、17年定年退官。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「宮本英脩」の解説

宮本英脩 みやもと-ひでなが

1882-1944 大正-昭和時代前期の法学者。
明治15年5月17日生まれ。大正10年京都帝大教授となり,刑法を担当。昭和8年の滝川事件で辞表を提出し免官となった法学部8教授のひとりだが,同年12月に復職した。昭和19年4月22日死去。63歳。茨城県出身。東京帝大卒。著作に「刑法大綱」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の宮本英脩の言及

【可罰的違法性】より

…処罰に値する程度の実質的な違法性。日本において,宮本英脩が価額1厘の葉タバコを耕作者が勝手に消費した行為を不可罰とした一厘事件判決(1910)を手がかりに提唱した考え方で,具体的には,行為がたとえ法規に違反し,形式上違法ではあっても,それが軽微であれば不可罰であるとする。第2次大戦後は,主として公安・労働事件の判例で用いられ,多くの無罪判決を生んだ。…

※「宮本英脩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android