宮畑遺跡(読み)みやはたいせき

日本歴史地名大系 「宮畑遺跡」の解説

宮畑遺跡
みやはたいせき

[現在地名]福島市岡島 宮畑

阿武あぶくま川右岸の氾濫によって形成された標高五九メートルの河岸段丘上に占地する。遺跡は三地区(A・B・C)にわたって調査された。縄文時代・平安時代・中世複合遺跡であるが、主体は縄文時代の集落跡で、縄文時代は中期後期晩期の三期に区分される。

遺構竪穴住居跡一三六棟・敷石住居跡四棟、掘立柱建物跡三〜五棟、土坑七二八基・集石遺構一七基・溝跡九六条・水田跡などが検出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「宮畑遺跡」の解説

みやはたいせき【宮畑遺跡】


福島県福島市岡島にある縄文時代中期から晩期の集落跡。阿武隈(あぶくま)川左岸に位置し、標高約60mの河岸段丘上に所在する。1997年(平成9)、福島工業団地造成にともなう発掘調査によって縄文時代中期の焼失住居跡、後期の敷き石住居跡など、縄文時代中期から晩期までの数多くの遺構が発見された。1998年(平成10)から実施された遺跡の範囲と内容確認を目的とした調査の結果、縄文時代中期、後期、晩期の各時期の集落跡が確認され、2003年(平成15)に国指定史跡となった。晩期の集落跡はこの遺跡の中心的存在で、晩期前葉から中葉にかけてその構造が判明している。中央に東西45m、南北60mの広場があり、それを中心に掘立柱建物群が環状にめぐっていた。土器石器などが大量に出土し、土偶、石剣、石刀などの祭祀遺物が多く検出された。おそらくこの地方での中核的な集落だったと思われる。阿武隈急行線瀬上(せのうえ)駅から車で約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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