家島諸島(いえしましょとう)(読み)いえしましょとう

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

家島諸島(いえしましょとう)
いえしましょとう

瀬戸内海の東部、播磨灘(はりまなだ)に浮かぶ群島。姫路市(ひめじし)に属す。「えじましょとう」ともいう。家島四十四島といわれる40余の島々が東西26.7キロメートル、南北18.5キロメートルの海上に散在し、全島あわせて面積19.7平方キロメートル。そのうち島名をもつのは27島2礁、居住者がいるのは人口4242(2009)の家島本島(面積5.46平方キロメートル)、坊勢(ぼうぜ)島、男鹿(たんが)島、西島の4島だけである。地質は家島本島の大部分が古生層、西島と坊勢島は流紋岩、男鹿島は花崗(かこう)岩からなり、西島と男鹿島では大規模な採石がみられる。地形は典型的な沈水地形で、約1万年前、氷河期後の海進によって本土から切り離されて島となった。家島湾などの溺れ谷(おぼれだに)は陸地深く入り込み、水深が大きく、良港となった。平地は溺れ谷の湾奥に形成されているが、規模が小さく、まだ潟湖(せきこ)をもつなど未発達なものが多い。気候は温暖少雨、ことに夏に降雨が少ないうえに植生が貧弱なため、飲料水不足が深刻で、無人島が多いのもそれが原因の一つである。人口7256(2009)。一帯瀬戸内海国立公園一部

大槻 守]

『家島群島総合調査団編『家島群島』(1962・神戸新聞社)』


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