日本大百科全書(ニッポニカ) 「坊勢島」の意味・わかりやすい解説
坊勢島
ぼうぜじま
兵庫県、播磨灘(はりまなだ)の家島諸島(いえしましょとう)のほぼ中央にある島。姫路(ひめじ)市に属す。面積1.87平方キロメートル。全体に低い丘陵性で、海岸線は小さな溺(おぼ)れ谷と海崖(かいがい)がよく発達して複雑であるが、採石のため変化が著しい。旧家島町の漁業の中心で集落は古くからの漁村である。ハマチの養殖が盛んであったが、赤潮の被害にあって衰退し、ノリなどの養殖に転換している。人口は2920人(2009)で、4242人(2009)の家島本島に次いで多く、集落は北部の平地に集中しているが、諸島中でも飲料水不足に悩まされ、1984年(昭和59)には本土の赤穂(あこう)市から海底送水管が敷設された。姫路市の本土側から定期航路がある。
[大槻 守]