宿屋の女主人(読み)ヤドヤノオンナシュジン(その他表記)La Locandiera

デジタル大辞泉 「宿屋の女主人」の意味・読み・例文・類語

やどやのおんなしゅじん〔やどやのをんなシユジン〕【宿屋の女主人】

《原題、〈イタリア〉La locandiera》ゴルドーニによる戯曲。3幕の喜劇。1753年初演。美人でしっかり者の宿屋の女主人が、言い寄る宿泊客たちをあしらいながら、最後は忠実な番頭を夫に選ぶという物語。邦題は「宿屋の女将おかみ」ともする。

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関連語 岩波文庫

日本大百科全書(ニッポニカ) 「宿屋の女主人」の意味・わかりやすい解説

宿屋の女主人
やどやのおんなしゅじん
La Locandiera

イタリアの劇作家ゴルドーニの散文喜劇。三幕。1753年ベネチアの謝肉祭で初演。宿屋の女主人ミランドリーナは美貌(びぼう)と愛嬌(あいきょう)で泊まり客を魅了し商売繁盛。身分と財力を誇示して言い寄る貴族をかみ合わせ、女性蔑視(べっし)を広言する騎士は手練手管で恋の罠(わな)に陥れ、自分は働き者の忠実な番頭と結婚する。罠にかけて男を愚弄(ぐろう)する冷酷さ、夫を奴隷視する結婚観はドイツの文豪ゲーテをも憤慨させたが、「女性は自然がこの世にこさえた最上等の作品。それを敵視する野蛮な男は征服してやらねば」と自負する女主人公の性格は現代に至るもその魅力を失っていない。貴族の虚栄を嘲(わら)い、市民的活力を発揚させた初期の代表作である。

[里居正美]

『野上素一訳『宿屋のおんな主人』(岩波文庫)』

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