寄生根(読み)キセイコン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「寄生根」の意味・わかりやすい解説

寄生根
きせいこん

寄生植物の根で、宿主(しゅくしゅ)となる他の植物の組織の中へ侵入して吸器となり、水や養分を吸収できるように特別に変形した根をいう。寄生植物は双子葉類にみられ、宿主は被子植物であるが、それぞれ特定の植物群に寄生する場合が多い。寄生根は通常の根が保護組織としてもつ根冠(こんかん)を備えず、宿主の維管束に接するまで侵入する。寄生根の維管束の木部(もくぶ)や篩部(しぶ)はそれぞれ宿主の木部や篩部と連絡する。寄生植物には葉緑素を欠く全寄生と、葉緑素をもつ半寄生とがあり、寄生根を地上につくるものと地下につくるものがある。ヤドリギは半寄生で、樹上で発芽して寄生し、ネナシカズラやスナヅルは全寄生で、他の植物に絡んだ茎からの不定根が寄生根となる。ナンバンギセルハマウツボオニクは全寄生で、地下に寄生根がある。

[西野栄正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寄生根」の意味・わかりやすい解説

寄生根
きせいこん
parasitic root

寄生植物が宿主から栄養を得るために生じる根。吸根ともいう。宿主植物の組織内に侵入するのみでなく,通道組織がつながり合って,能率よい吸収ができるようになっている。ハマウツボ,ヤドリギ,ネナシカズラ,マメダオシなど,各科の寄生植物にわたってその例がある。

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