生物の生態学用語。ある個体群において、密度(一定空間当りの個体数)が上昇すると増加が抑制され、低下すれば増加が促進される結果、一定の平衡レベルに維持されることをいう。おもに野外の動物個体群が多くの世代にわたって安定した密度レベルを保っている現象を説明する概念。1950年代に、平衡の概念を否定し、個体群は単に環境の適・不適に応じて変動しているにすぎないとする説との間に大きな論争があったが、現在では多くの動物で野外の密度変化が詳しく調べられ、調節機構の存在が明らかにされている。密度変化の大きい昆虫類などでは食物や空間をめぐる種内競争が、鳥や哺乳(ほにゅう)類ではより低密度で働く同種個体間の相互作用が、基本的な調節機構である場合が多い。捕食者、捕食寄生者、病原生物なども密度依存的な作用を及ぼすことが知られているが、かならずしも一般的でなく、また密度の変化に遅れて作用するなどの点で、調節機構としての働きは不完全であると考えられている。密度調節と平衡密度レベルの高さとは区別して扱わねばならない。後者は生息場所の構造や餌(えさ)の量などで決まる個体群の特性である。この点に関して、捕食者などにより普通は低密度に抑えられている動物が、ほかの条件の好転によりその調節作用を脱して増加し、高密度になると種内競争で共倒れがおこるとする説、また、これら2種類の調節作用により高低二つの平衡点があるとする説があるが、まだ実証されていない。
[堀 道雄]
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