寒人(読み)かんじん(英語表記)han-ren; han-jên

普及版 字通 「寒人」の読み・字形・画数・意味

【寒人】かんじん

貧賤の人。〔宋書、羊欣伝〕以て其の後軍の府舍人と爲す。此の、本(もと)人を用ふ。欣、貌恬然として、高を以て色に見(あら)はさず。

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出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「寒人」の意味・わかりやすい解説

寒人
かんじん
han-ren; han-jên

中国,南朝 (→南北朝) の官界で活躍した門地の低い層出身の官僚。その属する一族寒門と呼ぶ。六朝時代身分制が固定化するに従い,家格の高い貴族に有能な官吏が少くなったので,南朝の天子は貴族以外の有能な人物を登用し,寒人が重視された。彼らは高い官職を与えられないにもかかわらず,天子の権力背景にもって,高位にある貴族や皇族の行動を掣肘した。それだけにその活躍は正常な官僚機構の運営をむしろ破壊するものであった。

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世界大百科事典(旧版)内の寒人の言及

【魏晋南北朝時代】より

…蕭道成と蕭衍はいずれも彼らの不満をよりどころとして兵を挙げた。 南朝に入って,寒門豪族とともに台頭してきたのが寒人勢力である。本来庶民出身の彼らは,皇帝の側近として護衛・使役に任じ,皇帝の寵幸を得て昇進し権勢を振るった。…

※「寒人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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