寝す(読み)ナス

デジタル大辞泉 「寝す」の意味・読み・例文・類語

な・す【寝す】

[動サ四]動詞「ぬ(寝)」に上代尊敬助動詞「す」が付いて音変化したもの》「寝る」の尊敬語。寝ていらっしゃる。
「沖つ波来寄する荒磯ありそをしきたへの枕とまきて―・せる君かも」〈・二二二〉

な・す【寝す】

[動サ四]《動詞「ぬ(寝)」に使役の意が加わった語形》寝させる。寝かす。
「まなかひにもとなかかりて安眠やすいし―・さぬ」〈・八〇二〉

ね・す【寝す】

[動サ下二]ねせる」の文語形

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「寝す」の意味・読み・例文・類語

な・す【寝】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 「ぬ(寝)」の他動詞形 ) 眠らせる。寝させる。
    1. [初出の実例]「いづくより 来たりしものぞ 目(ま)な交(かひ)に もとなかかりて 安眠(やすい)し奈佐(ナサ)ぬ」(出典万葉集(8C後)五・八〇二)

な・す【寝】

  1. 〘 自動詞 サ行四段活用 〙 ( 動詞「ぬ(寝)」に上代の尊敬の助動詞「す」が付いて音の変化したもの ) 「ぬ(寝)」の尊敬語。おやすみになる。お眠りになる。
    1. [初出の実例]「をとめの 那須(ナス)板戸を 押そぶらひ 我が立たせれば 引こづらひ」(出典:古事記(712)上・歌謡)

しな・す【寝】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 寝さす。ねむらせる。
    1. [初出の実例]「人をねさするをしなすと云ふは」(出典:塵袋(1264‐88頃)一〇)

ね・す【寝】

  1. 〘 他動詞 サ行下二段活用 〙ねせる(寝)

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