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対日強硬姿勢が目立つ北方領土問題 たいにちきょうこうしせいがめだつほっぽうりょうどもんだい

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知恵蔵2015の解説

対日強硬姿勢が目立つ北方領土問題

ロシアで、北方領土問題に関する対日強硬発言が続いている。 (1)ロシアラブロフ外相は2005年5月25日、「日本との国境は、国連憲章をふくむ、第2次大戦の所産である一連の条約文書によって揺るぎないものとされており、ここでは(中ロ間におけるような国境画定の)問題は生じようがない」と断定した。(2)05年6月2日、ロシア外務省ホームページで、領土問題を「日本が、国際法に基づき存在する日ロ両国の国境に、異を唱えている問題」と位置づける。(3)プーチン大統領は05年9月27日、国営テレビで「四島に対するロシアの主権は第2次大戦の結果であり、国際法によって確定された。この部分について交渉する意思は一切ない」と述べる。続いてロシア外務省の高官は、「四島のロシア主権を平和条約で確定することが、二島引渡し交渉の条件である、これがロシア政府として正式に確認した方針だ」と述べる。(4)プーチン大統領は05年11月、訪日時の首脳会談で、93年に合意した東京宣言を公式に認める日ロ共同声明を出すことを拒否。(5)プーチン大統領は06年1月31日の記者会見で、日ロ両国は国際合意を破らずに双方受け入れ可能な解決の道を探すべきだとし、国際合意としてヤルタ協定ポツダム宣言サンフランシスコ講和条約を挙げた。これは、ロシアが四島を領有することの正当性の主張である。(6)プーチン大統領は06年6月2日のマスコミ代表との会談で、日ソ共同宣言に関連して「ロシアは領土を他の国に割譲しなければならないという考えは取らない」と発言。(7)コサチョフ・ロシア下院国際問題委員会委員長は06年8月29日のインターファックスで、「ロシア連邦にとって領土問題はない。領土問題があるのは日本側にとってだけである。話し合いはロシア側の善意の表れであり、……日本側がわれわれの提案を無視するのであれば、状況は現在のまま、国際法秩序で形作られた状態のままとなろう」と述べる。 これらの発言の背景には、ロシアにおける大国主義ナショナリズムの強まり、シロビキと呼ばれる治安関係者の影響力増大がある。さらにこれまでの日本側の対ロ政策にも問題がある。06年8月には根室のカニかご漁船第31吉進丸が北方四島海域でロシア国境警備船に銃撃、拿捕され船員1人が死亡する事件が起きている。

(袴田茂樹 青山学院大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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