航空機から安全に脱出するための装置で,一般に高速で飛行する軍用機に装備される。航空機からの非常脱出用にパラシュートが装備された当初,搭乗員は機外へ操縦席を乗り越えるか背面飛行状態にして脱出していた。しかし,航空機の速度が増大するにつれて,脱出時に受ける風圧に耐え,機体,特に垂直尾翼に接触することを避けるための対策が必要となり,搭乗員を座席ごと機外に射出したのちパラシュートで降下させる射出座席が考案された。まずドイツで研究され,1942年1月にパイロットが高度2400mで射出座席によって脱出に成功したのが世界最初である。当初の射出座席は圧縮空気の力で座席を射出したが,パワー不足で射出高度が低く安全性に問題があったため,のちに火薬カートリッジ方式に移行,また従来はある高度以上からでないと無事に脱出ができなかったが,現在ではロケット推進方式によって,高度ゼロ,速度ゼロの航空機からの脱出を可能とするいわゆるゼロゼロ能力を持ったものが出現している。
執筆者:別府 信宏
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…さらに毎離陸前に乗員が酸素マスクおよび救命胴衣の説明とともに,必ず脱出口の位置を示すことが義務づけられており,非常口の標示も規定によって決められている。なお,主として高速の軍用機(戦闘機など)では,火薬の爆発を利用して乗員を座席ごと機外に射出する射出座席が用いられる。【関川 栄一郎】。…
※「射出座席」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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