射出座席(読み)しゃしゅつざせき(その他表記)ejection seat

翻訳|ejection seat

精選版 日本国語大辞典 「射出座席」の意味・読み・例文・類語

しゃしゅつ‐ざせき【射出座席】

  1. 〘 名詞 〙 高速の航空機で、事故の場合に操縦士機外脱出できるよう射出装置のついた座席火薬ロケット推進力を利用する。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「射出座席」の意味・わかりやすい解説

射出座席 (しゃしゅつざせき)
ejection seat

航空機から安全に脱出するための装置で,一般に高速で飛行する軍用機に装備される。航空機からの非常脱出用にパラシュートが装備された当初,搭乗員は機外へ操縦席を乗り越えるか背面飛行状態にして脱出していた。しかし,航空機の速度が増大するにつれて,脱出時に受ける風圧に耐え,機体,特に垂直尾翼に接触することを避けるための対策が必要となり,搭乗員を座席ごと機外に射出したのちパラシュートで降下させる射出座席が考案された。まずドイツで研究され,1942年1月にパイロット高度2400mで射出座席によって脱出に成功したのが世界最初である。当初の射出座席は圧縮空気の力で座席を射出したが,パワー不足で射出高度が低く安全性に問題があったため,のちに火薬カートリッジ方式に移行,また従来はある高度以上からでないと無事に脱出ができなかったが,現在ではロケット推進方式によって,高度ゼロ,速度ゼロの航空機からの脱出を可能とするいわゆるゼロゼロ能力を持ったものが出現している。
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世界大百科事典(旧版)内の射出座席の言及

【救命設備】より

…さらに毎離陸前に乗員が酸素マスクおよび救命胴衣の説明とともに,必ず脱出口の位置を示すことが義務づけられており,非常口の標示も規定によって決められている。なお,主として高速の軍用機(戦闘機など)では,火薬の爆発を利用して乗員を座席ごと機外に射出する射出座席が用いられる。【関川 栄一郎】。…

※「射出座席」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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