20世紀日本人名事典 「小松摂郎」の解説
小松 摂郎
コマツ セツロウ
昭和期の哲学者 東海大学短期大学部教授。
- 生年
- 明治41(1908)年2月14日
- 没年
- 昭和50(1975)年5月9日
- 出生地
- 大阪市
- 学歴〔年〕
- 東京大学文学部哲学科〔昭和6年〕卒
- 経歴
- 昭和6年東京帝大副手、10年山形高等学校教授。ヘーゲル哲学から弁証法的唯物論研究を進め11年「精神科学の諸問題」を出版。戦後、山形県の民主化運動を推進、民科哲学部会に入会してマルクス主義正統派に接近、梅本克己を批判。「独逸観念論批判」「弁証法と実存哲学」「実存哲学批判」「西田哲学と根本性格」などを刊行。24年神戸経済大学予科教授となり民科大阪支部、神戸支部で活躍したが、レッド・パージで教職追放。日本文学協会に加入、30年日本共産党による民科解散に反対、民科大阪支部再建に尽力。38年東海大学短期大学教授となった。「弁証法読本」などのほかに「漱石と鷗外」「文学に見る人間探求」などの著書がある。平成3年平田哲男編著「大学自治の危機―神戸大学レッド・パージ事件の解明」が刊行された。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報