20世紀日本人名事典 「小林純」の解説
小林 純
コバヤシ ジュン
- 生年
- 明治42(1909)年11月1日
- 没年
- 平成13(2001)年7月2日
- 出生地
- 岡山県倉敷市
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学農学部農芸化学科〔昭和9年〕卒
- 学位〔年〕
- 理学博士(名古屋大学)〔昭和35年〕
- 主な受賞名〔年〕
- 日本農学賞「日本の河川の化学的研究」,勲三等旭日中綬章〔昭和56年〕「日本及び東南アジア諸国の河川の化学的研究 イタイイタイ病の原因の究明」
- 経歴
- 農林省農事試験場技師を経て、昭和21年岡山大学に移り、28年教授に就任。50年退官。水質学を専門とし、戦争中の16年から日本の約500河川、東南アジア諸国の125河川について、年間12回ずつ水質を分析。34年以降は富山県神通川のイタイイタイ病を調査し、川の水や農作物の土壌、患者の臓器などから大量のカドミウムを検出。鉱山廃液に含まれるカドミウムの体内蓄積が病気の原因であることを解明し、学会で告発するなど日本の公害研究に先鞭をつけた。また60年10月日本陸水学会でカルシウムを多く含んだ水を飲むと、脳卒中が抑えられ長寿につながると発表、大きな反響を呼んだ。著書に、日本及び東南アジア諸国の河川水質分析データ「水の健康診断」など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報