屈まる(読み)クグマル

デジタル大辞泉 「屈まる」の意味・読み・例文・類語

くぐま・る【屈まる】

[動ラ五(四)]からだをまるめて小さくする。萎縮いしゅくする。かがまる。
貫一はいと苦しく心―・りつつ」〈紅葉金色夜叉

かがま・る【屈まる】

[動ラ五(四)]
背・腰などが折れ曲がった状態になる。また、そのような姿勢をとる。「腰が―・る」
寒さでかじかむ。また、ひびあかぎれになる。
寒気甚だしくして兵皆指を墜し、―・る」〈太平記二五

こごま・る【屈まる】

[動ラ五(四)]からだを折りたたむようにして、低い姿勢をとる。かがまる。「―・ってたき火にあたる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「屈まる」の意味・読み・例文・類語

かがま・る【屈・亀】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 ( 古く「かかまる」とも )
  2. かがむようになる。折れ曲がった状態になる。多く、背、腰、手、足、指など、体の部分についていう。かがむ。くぐむ。また、しゃがむ。うずくまる。かごまる。
    1. [初出の実例]「曲身低影 上、可可末利(カカマリ)、低、可多夫久」(出典新訳華厳経音義私記(794))
    2. 「ひげも白くこしもかがまり目もただれにけり」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
  3. ( 亀 ) ( 「亀」はひび、あかぎれの意 ) 寒気のために、指がかじかんでちぢこまる。また、手などがあかぎれになる。かがむ。
    1. [初出の実例]「庭上にて立てれば頭鶴となる。坐て炉辺にあれば手亀まらず〈菅原道真〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)上)
    2. 「年内は寒気甚して兵皆指を堕し、手亀(カガマ)る事有ぬべければ」(出典:太平記(14C後)二五)

くぐま・る【屈・跼】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 腰をまげ、手足を縮めた状態になる。からだをまるく縮める。かがまる。こごむ。〔観智院本名義抄(1241)〕
    1. [初出の実例]「小さくくぐまって、ぼろっ屑かなにかのようにちんまり坐っている」(出典:おあんさま(1965)〈大原富枝〉)

こごま・る【屈・踞】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 体を折り曲げてしゃがむ。かがまる。〔言元梯(1834)〕
    1. [初出の実例]「隣りには、老婆と鶴が凝(コゴ)まって、灯を消して、ゐた」(出典:唐人お吉(1928)〈十一谷義三郎〉五)

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