山内郷(読み)やまうちごう

日本歴史地名大系 「山内郷」の解説

山内郷
やまうちごう

江戸時代に茨城郡内の笠間藩領を支配の便宜を図るため区分した郷の一つで、現笠間市の大部分と現西茨城郡七会ななかい村の旧五ヵ村が含まれる。当郷は城を中心に笠間盆地の内側にあるので山内郷と名付けられた。延享四年(一七四七)牧野氏入封時の引継史料である「笠間求古尋論」(小田家文書)でも山内・山外やまそと両郷の名称が使われている。牧野氏は二郷に郡奉行二名ずつ充てて支配、山内郷はさらにみなみ郷・きた郷に二分された。


山内郷
やまうちごう

和名抄」所載の郷。諸本ともに訓を欠くが、ヤマウチであろう。「大日本地名辞書」はヤマチと読み、野田のだ(現野田町)の大字下名しもみよう山内やまうち寺跡があることから、野田村高尾野たかおの(現高尾野町)に比定する。また中世山門やまと院の山門は山内の訛ったものかとする。「日本地理志料」はヤマツと読み、中世の山門院の山門はヤマツの訛ったもので、上名かんみよう・下名・野田(現野田町)多田ただ折口おりぐち脇本わきもと(現阿久根市)江内えうち(現高尾野町)くろの浜・大須木おおすき(現阿久根市)の諸邑にあたるとする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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