山方郷(読み)やまかたごう

日本歴史地名大系 「山方郷」の解説

山方郷
やまかたごう

和名抄」所載の郷で、同書高山寺本など諸本とも訓を欠く。中世にみえる遠山方とおやまかた郷、江戸時代の遠山村に関連させて、ヤマカタと訓じ、現成田市南部の東和田ひがしわだはたなどの一帯であろうという(日本地理志料)。「日本後紀」延暦二四年(八〇五)一〇月二五日条にみえる埴生郡山方駅は当郷にあったと考えられるが、東海道本路が葛飾かつしか郡・相馬そうま郡経由となったため不要として廃されている。

山方郷
やまがたごう

「和名抄」所載の郷。諸本とも訓を欠く。郷域について「大日本地名辞書」は「酸川の上游にして、最上郡の南極なれば、山方の語意によく協へり」と記し、最上郡の南端川流域の現上山かみのやま市を中心とした地域に比定する。また同書は「後世、山形に作る」とするものの、現山形市街は北接する最上郷の郷域に含まれ、のち最上・山方両郷が混同されて山形となったとし、むしろ、上山を「上の山方の義なり」として遺名と考えているが、妥当と思われる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報