イギリスの帽子屋ボーラーWilliam Bowlerが1850年に出した堅いフェルト製の帽子を原型にした、主として男子用帽子。ブリムが狭く、クラウンは丸くて低い。街着やビジネス用にかぶるほか、正式な乗馬用の帽子として用いられていた。イギリスではボーラーbowlerとよばれるが、アメリカではダービーderbyという。12代ダービー伯爵が、自分の創設したダービー競馬場にこれをかぶって現れたことからきている。日本でかぶり始めたのは明治の初期である。明治20年代から、断髪頭に帽子は欠かせないものとして各種の帽子が急に採用されたが、山高帽もフロックコートやステッキとともに、紳士の典型的な服装の一部として昭和初期までかぶられた。
[浦上信子]
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