岡田八十次(読み)おかだ・やそじ

朝日日本歴史人物事典 「岡田八十次」の解説

岡田八十次(初代)

没年:慶安3.5.25(1650.6.23)
生年永禄11(1568)
江戸初期の近江商人。通称弥三右衛門。家伝によれば,近江国(滋賀県)蒲生郡加茂村の出身で,安土築城により安土へ移住し,さらに豊臣秀次八幡城下に移ったが,文禄4(1595)年八幡の廃城により,慶長年間(1596~1615)南部地方(岩手県)へ呉服太物行商に出かけ,松前(北海道)にも進出し,工藤平右衛門という松前藩士の家に寄宿して開業し,その後大松前町に支店を構えたという。屋号は恵比須屋,呉服,太物,荒物類を取り扱い,松前藩の御用商人の地位を得,後代の場所請負による蓄富の基礎を固めた。居住地の衰勢をバネにした,敢為の精神に富む剛胆な人物であった。<参考文献>「岡田家文書」(滋賀大学蔵)

(末永國紀)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡田八十次」の解説

岡田八十次 おかだ-やそじ

1568-1650 織豊-江戸時代前期の商人
永禄(えいろく)11年生まれ。近江(おうみ)(滋賀県)の人。安土から八幡城下にうつり,その廃城で行商となる。陸奥(むつ)八戸(はちのへ)(青森県)を拠点にして呉服などを販売。さらに蝦夷地(えぞち)(北海道)松前に支店をおき,海産物類を北陸,京坂に輸送・販売して巨万の富をきずいた。慶安3年5月25日死去。83歳。通称は弥三右衛門。屋号は恵比須屋,松前屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android