岡谷繁実(読み)おかやしげざね

精選版 日本国語大辞典 「岡谷繁実」の意味・読み・例文・類語

おかや‐しげざね【岡谷繁実】

  1. 国史学者。館林藩中老。維新後、修史局で史料編纂にあたる。著「名将言行録」など。天保六~大正八年(一八三五‐一九一九

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「岡谷繁実」の意味・わかりやすい解説

岡谷繁実
おかのやしげざね
(1835―1920)

幕末勤王家上野(こうずけ)国(群馬県)館林(たてばやし)藩(秋元氏)中老。通称鈕吾(ちゅうご)、変名斯波(しば)純一郎、弾正(だんじょう)、晩年寒香園主人と号した。水戸の青山延光(のぶみつ)に師事、ついで昌平黌(しょうへいこう)に学び、のち上京して勤王に従事、1863年(文久3)藩の分領河内(かわち)国(大阪府)の雄略(ゆうりゃく)陵修復にあたった。同年幕府征長の議にあたり、藩主志朝(ゆきとも)の内命により長州に下り、その回避を運動したが、禁門の変により幕府の嫌疑を恐れて藩を追放された。維新には甲信の討幕軍に参加した。69年(明治2)帰藩、廃藩後は若松県大参事、修史局御用掛などを歴任、鎌倉宮宮司(ぐうじ)、氷川神社宮司となった。この間『皇朝編年史』『名将言行録』など著述が多い。墓所は埼玉県深谷市清心寺。

[山田武麿]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岡谷繁実」の解説

岡谷繁実 おかのや-しげざね

1835-1920 幕末の武士
天保(てんぽう)6年3月12日生まれ。岡谷繁正の長男。上野(こうずけ)(群馬県)館林(たてばやし)藩士大目付などをへて,文久3年中老。藩主秋元志朝(ゆきとも)の命により幕長戦争の回避にうごくが,禁門の変ののち,幕府の嫌疑をはらすため蟄居(ちっきょ)となる。維新後は修史館御用掛などをつとめ,「名将言行録」を編集した。大正9年12月9日死去。86歳。通称は鈕吾。

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