中老(読み)チュウロウ

デジタル大辞泉の解説

ちゅう‐ろう〔‐ラウ〕【中老】

50歳ほどの年ごろ。また、その人。
「―の品の好い細君は」〈花袋田舎教師
武家の職名。
㋐鎌倉・室町時代、引付衆(ひきつけしゅう)のこと。
㋑豊臣時代、五大老五奉行の中間にあって政務を行った職。
㋒室町・江戸時代、諸侯の家老の次位にあたる職。
武家の奥女中で、老女次位にあたる職。
江戸新吉原の妓楼で、内証の雑用をする下男。中郎。
「下の―の人をたのんで呼びにやってくんなんし」〈洒・錦之裏

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版の解説

ちゅうろう【中老】

集団の成員のうち,その運営に発言権をもつ年寄(老(おとな),大人)と若い者の中間に位置し,年寄に次ぐ発言力をもった成員。中年寄。室町時代から,村・町・大名家・幕府などに見られる。室町幕府では宿老である評定衆に対して引付衆が中老と呼ばれていた。戦国大名武田氏にも中老の職があったことが《甲陽軍鑑》に見える。豊臣氏では五大老と五奉行の間に三中老(生駒親正中村一氏堀尾吉晴)が置かれたとされるが,職掌は明らかでない。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

ちゅうろう【中老】

(四〇歳代を初老とするのに対して)五〇歳過ぎほどの人。
中世後期、農村で指導的な地位にあった農民層の一部をさす。年寄などに次ぐ年長者として、惣の経営・維持に当たった。
近世武家政権において用いられた呼称。豊臣政権末期には五大老・五奉行間を周旋・調停する三人の大名をいい、江戸時代の諸藩では家老とともに政務を統轄する執政官をさす場合がある。
武家の奥女中のうち、老女の次席に当たる者。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

精選版 日本国語大辞典の解説

ちゅう‐ろう ‥ラウ【中老】

〘名〙
① 五〇歳ぐらいの年ごろ。また、その人。四〇歳を初老というのに対する。中老人。
※ささめごと(1463‐64頃)下「わかき程中老までも諸道に勝劣のなき人も、程なく行ぬかるる事、よろづの道にわたりてありとなり」
※田舎教師(1909)〈田山花袋〉五〇「中老の品の好い細君は」
② 室町幕府・鎌倉幕府・諸大名家などで重きをなした武家の重臣をいう。宿老中老と併称されることが多い。
※鎌倉殿中以下年中行事(1454か)八月朔日「唐物は中老被替、宿老中老申継、於殿中御食を被給」
③ 中世の惣村を構成する、長・老・乙名(おとな)、中老・若衆という年齢階梯制の組織単位の一つ。惣村を指導する老をたすけ、実務を担当した。
※政基公旅引付‐永正元年(1504)四月五日「地下中若衆に中老を相撰、船淵之しきを為首廿余人」
④ 武家の職名。
(イ) 豊臣時代、五大老・五奉行の間にあって軍国の政務にあずかった職。小年寄(ことしより)
※豊臣秀吉譜(1642)中「以生駒雅楽頭・中村式部少輔一氏・堀尾帯刀吉晴中老
(ロ) 江戸時代の諸大名家で、家老の次の位にある重臣。年寄。
※高橋記(1651)一三「依然秋月殿も信用不斜、家老中老歴々を召集られ」
⑤ 武家の奥女中で、老女の次席
※浄瑠璃・傾城反魂香(1708頃)上「宮内卿とて中老の局立出」
⑥ (「中郎」とも書く) 江戸新吉原の妓楼で内証の雑用をする下男のこと。
※洒落本・青楼昼之世界錦之裏(1791)「下の中郎(チウロウ)の人をたのんで呼にやってくんなんし」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の中老の言及

【宮座】より

…14世紀以降の荘園制の解体と惣庄・惣村((そう))の成立により地縁的な性格を強めた宮座の活動が近畿地方を中心に顕著にみられるようになった。そこでは左座と右座,東座と西座,横座・中座・下座,古座と新座というように重層的な構造をもつものがみられ,また宮座を構成する座衆が若衆,中老,おとな(乙名,老,年寄)という﨟次(ろうじ)により区分される例がみられた。この時期には惣村制を背景に宮座のおとな層が惣村の運営にあたることも多かった。…

※「中老」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

アポ電詐欺

《「アポ」は「アポイントメント」の略》電話を使用した振り込め詐欺の一。身内の者になりすまして電話番号が変わったと伝え、再度電話して金銭を要求したり、役所の担当者や銀行員などになりすまして電話をかけ、後...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

中老の関連情報