岩元禎(読み)イワモト テイ

20世紀日本人名事典 「岩元禎」の解説

岩元 禎
イワモト テイ

明治〜昭和期の哲学者,教育家



生年
明治2年5月3日(1869年)

没年
昭和16(1941)年7月14日

出生地
薩摩国鹿児島(鹿児島県鹿児島市)

学歴〔年〕
東京帝国大学文科大学哲学科〔明治27年〕卒

経歴
東京帝大卒業後、ケーベルに学び、のちに高等師範学校から一高教授となって、哲学やドイツ語を教えた。厳格な授業奇癖で知られる一高きっての名物教授で、漱石の「三四郎」における広田先生は、岩元禎をモデルとしたものともいわれる。没後の昭和19年弟子たちの手で講義録「哲学概論」が刊行された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「岩元禎」の解説

岩元禎 いわもと-てい

1869-1941 明治-昭和時代前期の哲学者。
明治2年5月3日生まれ。岩元禄の兄。ケーベルにまなぶ。高等師範学校講師をへて一高教授となり,哲学とドイツ語をおしえる。名物教授として知られ,夏目漱石(そうせき)の「三四郎」の広田先生のモデルといわれる。昭和16年7月14日死去。73歳。薩摩(さつま)(鹿児島県)出身。帝国大学卒。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の岩元禎の言及

【三谷隆正】より

…のち第六高等学校,静岡高等学校,第一高等学校の教授。一高在学中新渡戸稲造の感化をうけ,名物教授岩元禎の愛弟子とされ,また内村鑑三に学んで無教会主義のキリスト信者となる。南原繁との交友も有名で,南原の歌集《形相》に多数詠まれている。…

※「岩元禎」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android