巫山(読み)フザン

精選版 日本国語大辞典 「巫山」の意味・読み・例文・類語

ふ‐ざん【巫山】

  1. 中国四川省巫山県の東南にある山名。一二峰からなり、揚子江が貫流して巫峡をなしている。楚の懐王が夢の中で神仙女と契りを結んだという故事で知られ、麓に神女廟がある。
    1. [初出の実例]「巫山行雨下、洛浦廻雪霏」(出典:懐風藻(751)詠美人〈荊助仁〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「巫山」の意味・わかりやすい解説

巫山
ふざん / ウーシャン

中国、重慶(じゅうけい)市東部の県。長江(ちょうこう)(揚子江(ようすこう))北岸、大寧河(だいねいが)との合流点に位置する。人口63万8289(2015)。長江により四川(しせん)に入る要地で、長江はこの地方で大巴(だいは)山脈南東の巫山山脈を横切って、両岸に山が迫る峡谷巫峡(ふきょう)を形成する。この巫峡は西の瞿塘(くとう)峡、東の湖北(こほく)省の西陵(せいりょう)峡とあわせて三峡と称せられる。東の県境には、神女峰(しんじょほう)を最高峰とし、古くから詩歌や旅行記などに記され、奇勝で知られる巫山十二峰の峰々がそびえる。

 地下資源は石炭、鉄鉱石を産する。建設中の鄭渝(ていゆ)高速鉄道(鄭州(ていしゅう)―重慶)、包海高速鉄道(パオトウ―海口(かいこう))が県内を通る予定。また巫山神女峰空港が2015年に着工した。

[小野菊雄・編集部 2017年6月20日]

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