己の欲せざるところは人に施す勿れ(読み)おのれのほっせざるところはひとにほどこすなかれ

精選版 日本国語大辞典 の解説

おのれ【己】 の 欲(ほっ)せざるところは人(ひと)に施(ほどこ)す勿(なか)れ

  1. ( 「論語‐衛霊公」の「其恕乎、己所レ不レ欲、勿レ施二於人一」による ) 自分が好まないことは人も好まないのだから、他人に向かって、してはならない。

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故事成語を知る辞典 の解説

己の欲せざる所は人に施すなかれ

自分を相手の立場に置いてみて、してほしくないと感じることはしてはならない、という教え。

[使用例] 汝の欲せざるところ、これを人に施すなかれ、ということが形式的にでも通俗なモラルになると、世界の様相は一変して、なごやかになるね[坂口安吾*安吾人生案内|1951]

[由来] 「論語―衛えいの霊れい公こう」に出て来る、孔子のことば。弟子の子し貢こうが「たった一文字ですが、一生、実行していく価値のあることばがありますか」と質問したのに対して、「それは『恕じょ(思いやり)』だろうな、『己の欲せざる所、人に施すこと勿なかれ(自分がしてほしくないことは、他人に対してするな)』」と答えています。

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ことわざを知る辞典 の解説

己れの欲せざる所は人に施す勿れ

自分がしてほしくないことは、人もいやなのだからしてはならない。

[使用例] 今日の実際において何を善とし何を悪とするやと尋ぬれば人に対してその人の好まぬことを仕向けざるは善にしてこれに反するものは悪なり己の欲せざる所を人に施す勿なかれとは古聖人の教えにしてこれを恕じょの道という[福沢諭吉*福翁百話|1897]

[解説] 「論語―衛霊公」で、子貢が一生を通じて持つべき言葉は何かと質問したのに対して、孔子が答えた「其れ恕か、己の欲せざる所は、人に施す勿れ」によることば。「恕」は思いやりの心。

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