巻舒(読み)ケンジョ

デジタル大辞泉 「巻舒」の意味・読み・例文・類語

けん‐じょ【×舒】

[名](スル)
巻くこととのばすこと。縮むこととのび広がること。伸縮
「われは大雲の―するを望みつつ」〈藤村・雲〉
退くことと進み出ること。進退
「―一己いっきに非ず」〈性霊集・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「巻舒」の意味・読み・例文・類語

けん‐じょ【巻舒】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 巻くこととひきのばすこと。ひろげることとしまうこと。伸縮。屈伸
    1. [初出の実例]「巻舒久廃秋蛍去。軸軸図書塵自埋」(出典:法性寺関白御集(1145か)近曾聊書秋興以寄前金吾幕下〈略〉重綴本韻)
    2. 「竹簡の塵をはらひ、巻舒讚仰して、松窓の蛍をこそひろひしに」(出典:御伽草子・あしびき(室町中))
    3. [その他の文献]〔淮南子‐本経訓〕
  3. 事に処すること。進退。
    1. [初出の実例]「巻舒非一己、行蔵任六龍」(出典:性霊集‐一(835頃)贈良相公詩一首)
  4. 才能や徳心をあらわすこととかくすこと。
    1. [初出の実例]「巻舒師伯玉、顕晦祖陶朱」(出典:本朝続文粋(1142‐55頃)一・初冬述懐百韻〈藤原敦光〉)

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普及版 字通 「巻舒」の読み・字形・画数・意味

【巻舒】けんじよ

伸縮。進退。緩急の節を保つ。梁・江淹雑体詩、三十首、謝僕射(混)遊覧〕卷舒、なりと雖も 動きては復(ま)た靜に歸す

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