幻境(読み)げんきょう

精選版 日本国語大辞典 「幻境」の意味・読み・例文・類語

げん‐きょう‥キャウ【幻境】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。あたかも実在するように見えるまぼろし境界(きょうがい)。また、そのような対象世界。
    1. [初出の実例]「六塵の幻境(ゲンキャウ)をまよへるによる」(出典:米沢本沙石集(1283)五末)
    2. [その他の文献]〔巨力長者所問大乗経‐中〕
  3. 接している事物がまぼろしのように思われる境地
    1. [初出の実例]「唐山の演義小説に做ひ多くは憑空結構(ひゃうくうけっこう)の筆に成。閲者(みるもの)理外の幻境(ゲンキャウ)に遊ぶとして可なり」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)前)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「幻境」の読み・字形・画数・意味

【幻境】げんきよう(きやう)

夢幻浮世。唐・李〔宣州大雲寺碑〕悠悠たる百代蠢爾(しゆんじ)たる四埃塵(あいぢん)を幻のり、聽をの域につ。

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