唐山(読み)とうざん

日本大百科全書(ニッポニカ)「唐山」の解説

唐山
とうざん / タンシャン

中国、河北(かほく)省北東部の地級市。かつて省北東部に唐山地区がありその公署所在地であったが、1983年、豊潤(ほうじゅん)、豊南(ほうなん)、灤(らん)県、灤南(らんなん)、玉田(ぎょくでん)、遵化(じゅんか)、遷西(せんせい)、遷安(せんあん)、唐海(とうかい)、楽亭(らくてい)の10県を唐山市の管轄とし、地区は撤廃された。2016年時点で、7市轄区、5県を管轄し、2県級市の管轄代行を行う。人口753万2000(2014)。

 市域は、北を山海関(さんかいかん)より西走する万里の長城によってくぎられ、燕山(えんざん)山地南麓より灤河の形成する扇状地、三角州に広がる。この付近では灤県がもっとも早く大きな中心集落となっていたが、その県下の小集落であった唐山が著名になったのは、隣接する開平(かいへい)(現、開平区=唐山市の市轄区)とともに、中国最初の西洋式技術を用いた近代的炭鉱(開灤炭田)が設立されてからである。石炭の埋蔵は明(みん)代から知られていたが、清(しん)末の1878年、洋務派官僚李鴻章(りこうしょう)が開平鉱務局を開き、それ以後、中国第一の炭鉱都市として市街地も発達し、1938年には唐山市が設けられた。石炭の産出は年産1956万トン(2015)に達するほか、関連する火力発電、化学、鉄鋼機械、セメント、陶磁などの工業も発達し、河北省第一の重工業都市となっている。京哈(けいは)線、通坨(つうい)線(通州(つうしゅう)―灤県)、京秦(けいしん)線(北京(ペキン)―秦皇島(しんこうとう))、大秦線(大同(だいどう)―秦皇島)などの主要鉄道のほか、京山線(北京―山海関)、七灤線(七道橋―灤県)、遷曹線(遷安(せんあん)―曹妃甸(そうひてん))、灤港線(灤県―京唐港(けいとうこう))が通じる。

 1976年唐山を中心に大地震がおこり大きな被害を受けた。

[秋山元秀・編集部 2017年3月21日]

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百科事典マイペディア「唐山」の解説

唐山【とうざん】

中国,河北省北東部の都市。京哈(北京〜ハルビン),京秦(北京〜秦皇島)両鉄路が通じており,中国の六大炭鉱の一つ開【らん】(かいらん)炭田の所在地。1976年の大地震で大きな被害(死者24万人)を受けたが,その後復興した。鉄鋼,機械,電力などの諸工業のほか,陶磁器生産が有名で,〈北方の陶磁器の都〉と称されている。現在,巨大コンビナート計画が進行中である。322万人(2014)。

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精選版 日本国語大辞典「唐山」の解説

とう‐ざん タウ‥【唐山】

[一] 中国のこと。もろこし。から。唐土
※蛻巖先生答問書(1751‐64か)中「総じて唐山のを、日本の平生いふ所の世話に直して、合点いたす事読書第一の入用なり」
[二] 中国、河北省東部の工業都市。開灤(かいらん)炭田の中心で、鉄鋼・機械などの重工業が盛ん。

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デジタル大辞泉「唐山」の解説

とうざん【唐山】[地名]

中国、河北省東部の工業都市。開灤かいらん炭田の中心で、鉄鋼・機械などの重工業が発達。人口、行政区171万(2000)。タンシャン

とう‐ざん〔タウ‐〕【唐山】

中国のこと。から。もろこし。

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世界大百科事典 第2版「唐山」の解説

とうざん【唐山 Táng shān】

中国,河北省北東部の省直轄の重化学工業都市。人口676万(うち市部157万。1994)。京哈線(北京~ハルビン)に沿い,唐遵線(唐山~遵化)を分岐し,市域内を京秦線(北京~秦皇島)等のバイパス的鉄道が走っている。灤河(らんが)沿岸に位置する。清末には豊潤県と灤県の県境にある唐山鎮と呼ばれる田舎町だったが,明代すでに石炭の存在は知られていたという。だが唐山が炭鉱都市化するのは1878年(光緒4)李鴻章がここに官督商辧形式の開平炭鉱を開設して以来のことで,1900年炭鉱はイギリス資本の支配下におかれ,12年灤州炭鉱も合併され,開灤炭鉱となった。

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