庚申草(読み)コウシンソウ

デジタル大辞泉 「庚申草」の意味・読み・例文・類語

こうしん‐そう〔カウシンサウ〕【×庚申草】

タヌキモ科多年生食虫植物。日本特産。高い山の岩壁に生える。ムシトリスミレに似るが、全体に小さく、葉に粘液があって虫を捕らえる。夏、約8センチの茎を出し、淡紫色の花を開く。栃木県日光市の庚申山発見特別天然記念物

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精選版 日本国語大辞典 「庚申草」の意味・読み・例文・類語

こうしん‐そうカウシンサウ【庚申草】

  1. 〘 名詞 〙 タヌキモ科の多年草。栃木県西部の庚申山など、日光付近の深山の岩壁にまれに生える日本特産の食虫植物。葉は根生し、長さ七~一五ミリメートル、幅五~八ミリメートルの卵状楕円形で先は丸く、縁は全縁で少し内側に巻く。表面に多数の腺毛があり、それから分泌する粘液で小虫を捕えて消化する。六~七月ごろ、葉の間から一本の細い花茎を出し、ふつう下部で二本に枝分かれして高さ三~八センチメートルとなり、おのおのの先に淡紫色の小さな左右相称の花を一個つける。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「庚申草」の解説

庚申草 (コウシンソウ)

学名Pinguicula ramosa
植物。タヌキモ科の多年生食虫植物,高山植物,園芸植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の庚申草の言及

【足尾[町]】より

…過疎地域に指定され,人口減少はなお続いている。西部の日光国立公園の庚申山には特別天然記念物の食虫植物コウシンソウが自生する。東部の古峰ヶ原高原は前日光高原県立自然公園に属する。…

【ムシトリスミレ】より

…上唇は2裂し,下唇は3裂している。 似た種として,日光付近の高山崖地にのみ見られ,特別天然記念物に指定されているコウシンソウP.ramosa Miyoshiがある。この種は,花茎が途中で2枝に分かれ,果実の完熟に合わせて上方に向かって伸び続け,岩におしつけるようにして蒴果(さくか)を裂開させて種子散布をする点が,特徴的である。…

※「庚申草」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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