府中・山内瓦窯跡(読み)ふちゆう・やまのうちがようせき

日本歴史地名大系 「府中・山内瓦窯跡」の解説

府中・山内瓦窯跡
ふちゆう・やまのうちがようせき

[現在地名]国分寺町新名、坂出市府中町 前谷

讃岐国分寺南西およそ一キロにあり、同寺の瓦窯跡として国の史跡に指定されている。丘陵斜面を利用して構築されており、焚口や前庭部は民家の敷地になって破壊されている。しかし本体の主要な部分は保存されている。窯は山の傾斜面にトンネルを掘削し、燃焼部は平坦であるが、焼成部は五段の階段になっており、最上部は煙出しになっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「府中・山内瓦窯跡」の解説

ふちゅうやまのうちかわらがまあと【府中-山内瓦窯跡】


香川県坂出市府中町、高松市国分寺町にある窯跡。讃岐国分寺から南西約1kmのところにある窯跡で、傾斜地を利用した全長3m余りの穴窯。窯周辺では讃岐国分寺跡讃岐国分尼寺跡から出土した軒瓦(のきがわら)と同一の文様をもつ瓦が出土していることから、両寺の瓦を焼いた窯であることが判明している。かつては周辺に14基ほどの窯跡が認められたようだが、現在、ほぼ完全な形で残っているのはここの1基だけである。1922年(大正11)に国の史跡に指定された。出土および採集されている瓦から、奈良時代に築かれたものと考えられる。名称は、史跡指定当時の村名である府中(現在の坂出市府中町)と山内(現在の高松市国分寺町新名)からつけられた。JR予讃線国分駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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