弁天沼(読み)べんてんぬま

日本歴史地名大系 「弁天沼」の解説

弁天沼
べんてんぬま

苫小牧市の東部、勇払ゆうふつ原野安平あびら川下流部東側にある沼。周囲五・五キロ、面積〇・三四平方キロ、深さ一メートル前後。淡水の中栄養沼で、太平洋岸の沿岸漂流によって打上げられた漂砂で閉ざされた潟湖。ガン、カモが渡って来る。「罕有日記」所載の由宇仏管内図に「ヒシエントウ」とみえアイヌは弁天沼を浜にある沼とし、その北にあるウトナイ湖を山にある沼とした。弁天沼と称されるようになったのは、沼の近くに弁天社があったことによる(地名・とまこまい)。沼の周囲は泥炭地帯で、火山灰が堆積して農耕には不向きであったが、昭和初期に牧場が開設された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の弁天沼の言及

【菅沼】より

…〈すげぬま〉ともいう。白根山(日光白根火山)の溶岩による堰止湖で,三つにくびれ東から清水沼,弁天沼,北岐(きたまた)沼(菅沼)と呼ばれている。湖面の標高1731m。…

※「弁天沼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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