部落(読み)ブラク

デジタル大辞泉 「部落」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐らく【部落】

比較的少数民家が集まっている地区共同体としてまとまりをもった地縁団体で、村の単位となる。
被差別部落

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精選版 日本国語大辞典 「部落」の意味・読み・例文・類語

ぶ‐らく【部落】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 民家が一かたまりになっている所。民家の一群。村や村の一部集落
    1. [初出の実例]「野作地は五部落に分つ、其中日本領は至小なる一部落にも及ばず」(出典:日本風俗備考(1833)六)
    2. [その他の文献]〔漢書‐鮑宣伝〕
  3. ひさべつぶらく(被差別部落)

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普及版 字通 「部落」の読み・字形・画数・意味

【部落】ぶらく

集団。むらざと。〔三国志、魏、胡昭伝〕民の孫狼等、~亂を作爲し、縣邑殘破せらる。~長樂亭に至り、自ら相ひ誓して言ふ、胡居士は賢なり。一も其の部を犯すことを得ずと。

字通「部」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「部落」の意味・わかりやすい解説

部落
ぶらく

形式的には農漁山村地域における行政上の一つの区。実質的には自治的機構をもつ農民の生活の基本的な地域社会。部落は,江戸時代においては独立した自治単位であり,明治以降において行政的に再編成され市町村行政の末端機構として位置づけられた。特に第2次世界大戦前までは,いわゆる村落共同体的性格が強く残存し,部落の統一性を強固なものとして自給自足的で封鎖的な性格をもっていた。しかし戦後,特に 1955年以降の経済社会の発展なかで,村落共同体的性格は急速に失われていき,また農民が個別的,階層的利害に基づいて行動するようになり,兼業化の進行と相まって部落の統一性が解体する現象がみられるようになってきた。

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世界大百科事典(旧版)内の部落の言及

【集落】より

…最近では農林業センサスでも〈農業集落〉の用語が用いられるようになった。これは従来用いられてきた〈部落〉という語を,自然発生的な〈むら〉,すなわち家と家とが地縁的・血縁的に結びついて,各種の集団や社会関係をかたちづくってきている農村の基礎的集団に使用した場合に,第2次大戦後の合併前の行政区域を指すのか,戦前の末端機構の行政区を指すのか,1889年(明治22)の町村合併以前の旧町村を指すのか,など既成のいろいろな意味に解されることを避けるためである。 集落は本来,村落と都市の両者を含むが,都市に対して村落と同義に用いられることもある。…

【村】より

…むらで祭式を行うバラモンの地位は確定しており,むらの不可欠の構成員であった。むらには耕作者にサービスを提供する各種の職人がおり,不足した場合は近隣の職人部落からサービスを仰ぎ,またそこで生産された物が商人によってむらにもたらされた。むらの近くの被征服民(アウト・カースト)や未開の種族民(ときには外敵となる)からは,耕作その他の肉体労働を得ていた。…

※「部落」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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