弥彦神社灯籠まつり(読み)やひこじんじゃとうろうまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弥彦神社灯籠まつり」の意味・わかりやすい解説

弥彦神社灯籠まつり
やひこじんじゃとうろうまつり

新潟県弥彦村弥彦神社で毎年 7月25日に行なわれる灯籠の祭り。もとは旧暦 6月14日を中心とする 3日間の祭りであったが,1961年から 7月25日となり,24日に前夜祭,26日には還御祭が行なわれている。25日は午前中に大御膳と呼ばれる神饌が上げられる大祭の神事があり,夕刻神輿の神幸路を清める「お欅引き」が行なわれたあと,新潟県内各地の大灯籠講中が奉納した台座ぼんぼり造花を飾りつけた大灯籠二十数基と,氏子献灯である 100基以上の小田楽灯籠が,若者たちに担がれて街中を練る。その後,大灯籠と小田楽灯籠は,午後9時の神輿渡御を鳥居前で出迎えてともに巡行する。神輿は弥彦大神と妃神の 2基あり,烏帽子水干で胸に羯鼓をつけた神歌楽(かがらく)の稚児と,天犬の面をつけた天犬舞(あまいぬまい)の稚児が加わって,摂社末社で神歌を奉納しながら町内を 2時間ほどかけて一巡する。神歌が奉納される際には,大灯籠がそれを囲んで激しくもみ合う。午後11時頃に神輿が神社に戻ると,大灯籠が周囲を取り囲んだ拝殿前の特設舞台で神歌楽と天犬舞が奉納される。1978年,4月18日の妃神例祭に奉納される舞楽とともに「弥彦神社燈篭おしと舞楽」として国の重要無形民俗文化財に指定された。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

黄砂

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android