精選版 日本国語大辞典 「ぼんぼり」の意味・読み・例文・類語
ぼんぼり
- [ 1 ] 〘 副詞 〙 うすくすけてぼんやり見えるさま、はっきりしないさまを表わす語。ほんのり。ほっかり。
- [初出の実例]「ほんほりとつくったぞとを山にうすうけむりや霞のかかった如なぞ」(出典:玉塵抄(1563)三五)
- [ 2 ] 〘 名詞 〙
- ① ( 雪洞 ) 木や竹のわくに白い紙を張り、その一部に窓をあけ、茶炉(ちゃろ)などの上をおおうもの。せっとう。〔書言字考節用集(1717)〕
- ② ( 雪洞 ) 紙または絹張りのおおいのある手燭。また、柄(え)をつけ、その下端に台座をつけた小さな行灯(あんどん)。火をおおう部分が、六角形の下方が少しつぼまったものや円筒形のものなどがある。せっとう。
- 雪洞[ 二 ]②〈偐紫田舎源氏〉
- [初出の実例]「ほんほりの影丸綿や春の月〈一雪〉」(出典:俳諧・桜川(1674)春二)
- ③ 中啓(ちゅうけい)の扇の一種。親骨の先端を内側に反らせて中広がりとしたもの。近世の宮廷で用いた。ぼんぼり扇。
- [初出の実例]「ぼんぼり 扇の上の小口のしまらずはつとして六七分計もひらき有るを云ふ」(出典:類聚名物考(1780頃)装飾部二)
- ④ 耳の垢を掃う道具。頭部を羽で作って柄をつける。耳はらい。丁子棒(ちょうじぼう)。〔書言字考節用集(1717)〕
- ⑤ 干鱈や干鯛の身をゆでてほぐし、みりんと塩で味をつけていりあげたものを、高坏などに中高に盛った料理。白魚のすりみにつなぎを加えて丸めた椀種もいう。〔庖丁聞書(室町末か)〕
- ⑥ 「ぼんぼりわた(━綿)」の略。
- [初出の実例]「踊らうとぼんぼりや着た婆出立」(出典:俳諧・雀子集(1662)四)
- ⑦ 毛糸や羽毛などで作った丸い房。また、丸い房状のもの。ポンポン。