弥彦(読み)やひこ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「弥彦」の意味・わかりやすい解説

弥彦(村)
やひこ

新潟県中央部、西蒲原郡(にしかんばらぐん)にある村。弥彦山麓(ろく)に位置し、越後一宮弥彦神社(えちごいちのみやいやひこじんじゃ)の門前町。JR弥彦線が通じる。佐渡弥彦米山(よねやま)国定公園に属し、弥彦山、弥彦神社、弥彦公園、弥彦温泉郷、競輪場などをもつ観光の町である。弥彦神社は『延喜式(えんぎしき)』に越後唯一の名神大社と記され、旧国幣中社である。祭神は天香山命(あめのかごやまのみこと)。春秋の大祭、7月の灯籠(とうろう)神事などでにぎわい、とくに元旦(がんたん)の二年参りと秋の菊祭りには人出が多い。境内末社の十柱(とばしら)神社社殿や志田大太刀(たち)、大鉄鉢(仏餉鉢(ぶっしょうばち))は国の重要文化財に、灯籠おしと舞楽は国の重要無形民俗文化財に指定されている。面積25.17平方キロメートル、人口7705(2020)。

[山崎久雄]

『『弥彦村誌』(1971・弥彦村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「弥彦」の意味・わかりやすい解説

弥彦[村] (やひこ)

新潟県中部,西蒲原(にしかんばら)郡の村。人口8582(2010)。越後平野西端に位置する弥彦山(634m)の東麓にある。JR弥彦線が町域南部を通る。越後国一宮弥彦神社の門前町として発達し,北陸街道宿場でもあった。佐渡弥彦米山国定公園の弥彦地区の中心であり,観音寺温泉,弥彦温泉,越後七浦など多くの観光地がある。春は湯かけまつり,夏は灯籠まつりがある。農業は米の単作から多角的経営に変わりつつあり,特に枝豆の生産が盛ん。観光と結びついたブドウ栽培が井田丘陵を中心に盛んである。1964年造成の矢作(やはぎ)工業団地は三条,燕の洋食器工業地帯の外縁にあたり,金属製品工場が多数進出している。
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世界大百科事典(旧版)内の弥彦の言及

【弥彦山】より

…標高638m。山体は新第三紀層を貫く玄武岩などからなり,全山が東麓の弥彦神社の境内に含まれる。北の角田山(482m),多宝山(634m),南の国上(くがみ)山(313m)とともに小山塊を形成し,佐渡などの展望に優れる。…

※「弥彦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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