弾性余効(読み)だんせいよこう(その他表記)elastic aftereffect

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弾性余効」の意味・わかりやすい解説

弾性余効
だんせいよこう
elastic aftereffect

物体に加えていた外力を取除いても,物体の変形が瞬間的にはもとに戻らずに,時間経過とともに次第に復帰する現象をいう。弾性後効果,弾性回復ともいう。これに対して,物体に外力が作用してもただちに変形 (ひずみ) が応答せずに時間とともに徐々に増大する挙動を弾性前効果という。これらの現象は非弾性体 (非理想弾性体) に生じ,ひずみγは応力σとだけの関数ではなく,時間 tの関数γ=f (σ,t) の形になる。

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法則の辞典 「弾性余効」の解説

弾性余効【elastic after-effect】

通常の物体は,弾性限度を超えない限りは外力を取り去ると変形はただちにもとに戻るが,外力を除去してもしばらくは歪みが残って,復元するにはある有限の時間が必要となる場合もある.これを弾性余効という.絹糸ガラス繊維などいろいろの物体について観察されている.

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化学辞典 第2版 「弾性余効」の解説

弾性余効
ダンセイヨコウ
elastic after-effect

弾性変形において外力を加えた後に外力を取り去ったとき,もとの状態に戻るまでに時間を要する現象.一般の弾性体では,完全弾性体でないかぎり程度の差こそあれつねに現れる.粘弾性体である弾性ゴムでは弾性余効が顕著に現れる.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の弾性余効の言及

【弾性】より

… 外力を加えて生じた応力が弾性限度内であっても,力を取り除いて元の平衡状態に戻るまでには有限の時間を要する。これを弾性余効という。また弾性限度内の応力を発生してからこれを0にするとき,応力が増加していくときと減少していくときとでは応力の値が同じであってもひずみの値は異なる場合がある。…

※「弾性余効」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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