後段(読み)ごだん

精選版 日本国語大辞典 「後段」の意味・読み・例文・類語

ご‐だん【後段】

〘名〙
① あとの段。終わりの段。こうだん
読本近世説美少年録(1829‐32)二「一条(ひとくだり)のみにては、媒妁(なかだち)すべき事ならねども、旦(まづ)聞給へ後段(ゴダン)あり」
江戸時代、客をもてなす時、食後に他の食べ物を出したこと。また、その食べ物。
宗湛日記‐文祿三年(1594)九月二五日「御酒の後に湯出、〈略〉其後後段に小折敷麦也」
③ 江戸時代、夜食をいう語。
浮世草子・商人職人懐日記(1713)四「夏も中食沙汰なく、夕飯を急がせ、夜食を後段とよびて」

こう‐だん【後段】

〘名〙
物語文章芝居などのあとの部分。後の一区切り。
※五音曲条々(1429‐41頃)「松風村雨の後段、はん女、みそきかは、是等はみなれんほのもつはら也」
小麦粉そば粉を用いて作った水団(すいとん)そばなどの軽食をいう。
料理物語(1643)一七「後段之部 うどん〈略〉けいらん」

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デジタル大辞泉 「後段」の意味・読み・例文・類語

ご‐だん【後段】

文章・話などのあとの段。終わりの段。こうだん。⇔前段
江戸時代、供応の際に飯のあとでさらに飲食物を供すること。また、その飲食物。
「―に寒曝かんざらしのひやし餅」〈浮・文反古・一〉

こう‐だん【後段】

あとの段。文章や芝居などのあとの部分・区切り。「後段で詳述する」⇔前段

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