後生大事(読み)ゴショウダイジ

デジタル大辞泉 「後生大事」の意味・読み・例文・類語

ごしょう‐だいじ〔ゴシヤウ‐〕【後生大事】

後生の安楽をいちずに願うこと。
物事を大切にすること。「師の教えを後生大事に守る」「空箱後生大事にしまっておく」

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精選版 日本国語大辞典 「後生大事」の意味・読み・例文・類語

ごしょう‐だいじゴシャウ‥【後生大事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。来世の安楽を最も大切とすること。信心を忘れないこと。
    1. [初出の実例]「それよりも、れんげだににきこえたる、かやんだうと申にとりこもり、こしゃう大しとおねがいあるは」(出典:説経節・説経苅萱(1631)上)
  3. 常に心をこめてつとめること。物事を大切に保持すること。また、大げさに慎重なさまをからかっていうこともある。
    1. [初出の実例]「今の劔昔の菜刀(ながたな)とさびて、又もとの珠数屋(じゅずや)を後生大事(コシャウダイシ)として、命の珠をつながれ」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)四)
    2. 「はだかになりて、手ぬぐひをいくぢなく、前へあて、ごしゃうだいじにむかふをにらみつめて、はいがらくりのあしどりであゆむ」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)前)

後生大事の語誌

( 1 )「後生一大事」ともいう。「後生こそ一大事なり」「後生の一大事」〔蓮如御文章‐一〕のように分離していた表現から、近世初頭に縮約してできた語。
( 2 )「に」を伴なって副詞的に用いられることが多くなり、現代に及ぶ。

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四字熟語を知る辞典 「後生大事」の解説

後生大事

仏教で、来世の安楽を最も大切にすること。信心を忘れないで善行を積むこと。転じて一般に、常に心をこめてつとめること。物事を長く大切にすること。

[活用] ―に・―と。

[使用例] 壊れた道具を後生大事に日本橋へ担ぎ込んで[谷崎潤一郎異端者の悲しみ|1917]

[使用例] 家を追い立てられて、あちこちを転々とする間、いつも父はこの地鶏真っ先に荷造りし、何処どこへ行くにも後生大事につれ歩いた[安岡章太郎*ソウタと犬と|1968]

[解説] 大げさに慎重なさまをからかっていうこともあります。

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