一大事(読み)イチダイジ

精選版 日本国語大辞典 「一大事」の意味・読み・例文・類語

いち‐だいじ【一大事】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。仏がこの世に出なければならなくなった、根本事情。仏の悟りの開かれる因縁。転じて、悟りを開くきっかけ。→一大事因縁
    1. [初出の実例]「いまこの如来一大事の、正法眼蔵無上の大法を、禅宗となづくるゆゑに」(出典:正法眼蔵(1231‐53)弁道話)
    2. 「教主釈尊の一大事の秘法を」(出典:日蓮遺文‐南条兵衛七郎殿御返事(1281))
  3. 一つのたいせつな事柄。また、容易ならないできごと。大事件。大変。
    1. [初出の実例]「人の身には一期の終りをもって一大事とせり」(出典:保元物語(1220頃か)下)
    2. 「捕へられては、一大事(イチダイジ)と」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二)
    3. [その他の文献]〔蘇軾‐趙閲道高斎詩〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一大事」の意味・わかりやすい解説

一大事
いちだいじ

仏教用語。『法華経』に初めてみえる言葉仏陀が世に現れる目的,すなわちあらゆる事象の真実のありさまを示すこと。禅宗では「参学の一大事」と使い,「絶対の修行」の意味に使っている。

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