一大事(読み)イチダイジ

デジタル大辞泉 「一大事」の意味・読み・例文・類語

いち‐だいじ【一大事】

放置できない重大な出来事。容易でない事態。「お家の一大事
仏語。仏が衆生救済のためこの世に出現するという重大事
[類語]大事だいじ大事おおごと重要大切肝要肝心

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精選版 日本国語大辞典 「一大事」の意味・読み・例文・類語

いち‐だいじ【一大事】

〘名〙
① 仏語。仏がこの世に出なければならなくなった、根本事情。仏の悟りの開かれる因縁。転じて、悟りを開くきっかけ。→一大事因縁
正法眼蔵(1231‐53)弁道話「いまこの如来一大事の、正法眼蔵無上の大法を、禅宗となづくるゆゑに」
※日蓮遺文‐南条兵衛七郎殿御返事(1281)「教主釈尊の一大事の秘法を」
② 一つのたいせつな事柄。また、容易ならないできごと。大事件。大変。
保元(1220頃か)下「人の身には一期の終りをもって一大事とせり
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉二「捕へられては、一大事(イチダイジ)と」 〔蘇軾‐趙閲道高斎詩〕

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「一大事」の意味・わかりやすい解説

一大事
いちだいじ

仏教用語。『法華経』に初めてみえる言葉仏陀が世に現れる目的,すなわちあらゆる事象の真実のありさまを示すこと。禅宗では「参学の一大事」と使い,「絶対の修行」の意味に使っている。

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