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後退翼 こうたいよくsweptback wing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

後退翼
こうたいよく
sweptback wing

高速の航空機に用いられるで,左右の翼がつけ根から翼端に向かうに従って後退しているもの。飛行速度が音速に近づくときに生ずる障害を,なるべく高いマッハ数まで起こさないようにするための一つの方法で,通常,飛行マッハ数が 0.75程度以上の航空機に採用され,マッハ数が増すにつれて必要な後退角が増す。一方,後退角の大きい翼は,直線翼に比べて低速での性能が悪いので,超音速から亜音速までの広い速度範囲で,よい性能を保つため,飛行中に後退角を変えることができる,可変後退翼もある。

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デジタル大辞泉の解説

こうたい‐よく【後退翼】

後退角を与えられた翼。音速に近い速さで飛ぶとき、抗力をなるべく小さくするためのもの。

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パラグライダー用語辞典の解説

後退翼

中心付近に比べ翼端が後にずれている翼を言う。どのくらい後にずれているかを角度で表し、この時の角度を後退角と言う。尾翼のないパラグライダーに直進安定をもたらす大切なひとつの方法である。また、翼端渦の影響を少なくして翼の高性能化にも役立っている。

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大辞林 第三版の解説

こうたいよく【後退翼】

飛行機の翼の端がつけ根よりも尾部方向にある翼。超音速機に多く用いられる。

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世界大百科事典内の後退翼の言及

【後退角】より

…一般には翼弦の前方から25%のところを結ぶ線と,機体の前後軸に直角に立てた線とのなす角度で示される。後退角のある翼を後退翼といい,音速付近や超音速で飛行するジェット機に多く見られる。低速機でも機体構成上のつごうで,若干の後退角をつけることもある。…

【超音速飛行】より

…例えばθ=35度とすれば,衝撃波の発生はマッハ0.85近くまで遅らせることができる。亜音速のジェット旅客機にアスペクト比の大きい,すなわち細長い後退翼が用いられているのはこのためである。一般に高速機になるほど後退角を大きくするが,超音速機ではジェット旅客機のようなアスペクト比の大きい後退翼は使われない。…

【飛行機】より

…後退角のとくに大きいものでは,後縁を直線で結んで三角翼にすることが多い。 後退角の大きな後退翼は,高速時には抗力が小さくて有利であるが,低速時には出せる揚力の値が後退角のない直線翼に比べて低く不利である。そこで高速で飛ぶときには後退翼,低速で飛ぶときには直線翼に近くなるよう,飛行中後退角を自由に変えられる可変後退翼variable geometry wing(略してVG翼)が一部の高性能多用途軍用機で使われている。…

【翼】より

…アスペクト比が小さくなるほど揚力傾斜は小さくなり(図2-b),同じ揚力係数を出すのに大きな迎え角を必要とするようになり,アスペクト比2の翼ではCL=π(α-α0L)に近くなる。また後退翼や前進翼では直線翼より揚力傾斜が減る。揚力係数の最大値(最大揚力係数CLmax)は翼型により異なり1.0~1.8程度であるが,高揚力装置をつければもっと大きくできる。…

※「後退翼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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