六訂版 家庭医学大全科 「徐脈頻脈症候群」の解説
徐脈頻脈症候群
じょみゃくひんみゃくしょうこうぐん
Bradycardia-tachycardia syndrome
(循環器の病気)
どんな病気か
洞不全(どうふぜん)症候群のひとつのタイプです。
原因は何か
合併する上室性頻脈の90%以上を心房細動が占めます。洞不全症候群では心房自体の病的変化もあるため、心房性頻脈が発生しやすくなります。その他の頻脈としては、
症状の現れ方
典型的には、まず先行する
検査と診断
ホルター心電図が有効です。心房細動などの頻脈性不整脈が先行し、それが停止した時に長い心停止が記録でき、その時に脳の
治療の方法
頻脈発生予防薬の投与により、洞停止時間が以前にも増して延長したり、一方、徐脈の治療のための脈拍を速くする薬剤の投与により、頻脈時の脈拍数が以前より増加する可能性があります。薬剤による治療はこのジレンマのためうまくいかないことが多いので、症状が強ければ徐脈治療のためにペースメーカーを植え込んだあとで、頻脈治療を行います。
病気に気づいたらどうする
不適切な診断、治療により症状が悪化する可能性があるので、適切な治療のためには循環器専門医の診察を受けてください。
平尾 見三
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報