急に発生した極端な
洞不全(どうふぜん)症候群・房室(ぼうしつ)ブロックによる心停止か、
本症候群の原因の50~60%は房室ブロック、30~40%が洞不全症候群とされます。残りは、心室頻拍(多形性心室頻拍トルサードポワンツを含む)・心室細動です。まれですが、
通常、脳の虚血症状が突然に現れます。症状の程度は、徐脈では心臓が停止している時間の長短に、頻脈では脈拍数と頻脈持続時間によって決まります。
そのほかに、脳の虚血が原因で起こる全身けいれんや、二次的な頭部外傷がしばしばみられます。症状が消失した時点では、神経学的な異常はみられないのが特徴です。
洞不全症候群で本症候群を来すのは、徐脈頻脈症候群が多いようです。頻脈も発作中の心電図の波形から診断されます。いくつかの疾患では非発作時にも心電図の異常があります。QT延長症候群、ブルガダ症候群、特発性心室細動、WPW症候群、不整脈源性
徐脈が原因であれば、意識消失発作の予防にはペースメーカーの植え込みが必要になります。心室細動、心拍数が多い心室頻拍の再発が危惧される時には、頻脈発生に際してはそれを電気的に停止させる植込型除細動器の植え込みが必要になります。(コラム)。
症状が最初は軽くめまい程度で自然に消失しても、数時間、数日後に繰り返すおそれがあるので、早期に循環器専門医の診察を受けてください。
平尾 見三
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
心臓の拍動リズムの異常に基づく脳血流低下によって生ずる発作性の意識障害。アイルランドの内科医R・アダムズ(1827)と、同じくW・ストークス(1846)とがそれぞれ独立に発表した。以前は、心臓内の刺激伝導障害(ブロック)などに基づく高度な徐脈、あるいは心停止による意識障害をさしていたが、最近は心電図記録法の発達に伴い、心室性頻拍症、心室細動などの頻脈性の調律異常によるものも含めている。意識障害の程度は、脳血流の停止時間によって異なる。5秒以内ではめまいを感じるだけであるが、5~10秒では意識がなくなる(失神)。10秒以上停止すると、てんかん様のけいれんがおこり、呼吸も止まる。3~4分以上続くと、脳に不可逆的変化をおこして死亡することもあるので、早期の的確な処置が必要である。
意識障害の原因によって治療が異なるため、心電図による診断が不可欠である。徐脈性の調律異常の場合には、恒久的ペースメーカーの植え込み術が行われ、頻脈性の調律異常に対しては、抗不整脈剤の投与が行われる。
[井上通敏]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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