デジタル大辞泉
「発作性上室性頻拍」の意味・読み・例文・類語
ほっさせいじょうしつせい‐ひんぱく〔ホツサセイジヤウシツセイ‐〕【発作性上室性頻拍】
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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家庭医学館
「発作性上室性頻拍」の解説
ほっさせいじょうしつせいひんぱく【発作性上室性頻拍 Paroxysmal Supraventricular Tachycardia】
[どんな病気か]
心臓の中に生まれつきに余分な電気回路ができていて、その回路を使って電気の空回り(旋回(せんかい))が急におこり始めるために生じる頻脈(ひんみゃく)です。頻脈がおこると、動悸(どうき)がして息苦しくなります。脈拍数(みゃくはくすう)はたいてい150以上になり、タッタッタッと規則的な動悸がおこります。
多くの病的な頻脈は、徐々に脈が速くなるのではなく、発作開始と同時に一瞬で脈が速くなり、止まる際も一瞬のうちに止まるという特徴があります。発作がおこると、急に激しい勢いで心臓が動き始めるため、血流に十分な圧力をかけられなくなって血圧が下がります。そして冷や汗やめまい、息切れ、失神(しっしん)をおこしたりします。一般に動悸は、めまいの後で自覚することが多いようです。
発作性上室性頻拍は期外収縮をきっかけにして旋回が始まります。そのため、期外収縮の少ない若年者には頻脈がおこりにくいのですが、中年以降になると発作がおこりやすくなります。
[原因]
心房(しんぼう)と心室(しんしつ)の境界に副伝導路があって、それを使って電気が旋回する場合(房室回帰性頻拍(ぼうしつかいきせいひんぱく))と、房室結節(ぼうしつけっせつ)周辺に2つの電気経路があってそれを旋回する場合(房室結節回帰性頻拍(ぼうしつけっせつかいきせいひんぱく))とがあります。
[治療]
いったん発作がおこり始めると、内服剤では、発作を停止できないことが少なくありません。発作が長く続く場合は、注射による治療が必要になります。
あまり発作がおこらず、発作時の症状も軽い人は、抗不整脈薬で予防が可能です。しかし、よく発作がおこり、発作時間が長く、発作時の症状も強い人は、カテーテルアブレーションで病気そのものを根本的に治療したほうがよいでしょう(コラム「カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)」)。
出典 小学館家庭医学館について 情報
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