御城米船(読み)ごじょうまいせん

精選版 日本国語大辞典 「御城米船」の意味・読み・例文・類語

ごじょうまい‐せんゴジャウマイ‥【御城米船】

  1. 〘 名詞 〙 江戸時代、御城米を江戸、大坂長崎駿府などに運送した民間からの雇用船。民間からの傭船(ようせん)のため、船質、諸道具乗員などに対して厳しい採用規定と、過積防止の船足制限や舵海、寄港などについても規制があった。船齢七年以内の弁才船で、遠距離廻送には五百石積み以上とされたが、江戸中期以後は千石積み級が多い。おしろまいせん。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御城米船」の意味・わかりやすい解説

御城米船
ごじょうまいせん

江戸時代,全国的に存在する幕府領年貢米を江戸,大坂を主に長崎,静岡など幕府の重要拠点に輸送した廻米船総称。就航した廻船はすべて民間商船のチャーターで,航路長短難易などによって運賃が規定され,安全輸送を目的としたきびしい監視のもとに輸送が行われた。寛文 11 (1671) ~12年の河村瑞賢による東回りと西回り航路の改善は,御城米船の安全確保に主眼がおかれたが,酒田から江戸への航路開発は画期的な長距離輸送であった。当初3ヵ月を要したこの航路も,18世紀後半以後は平均2ヵ月に短縮され,船は 1000~1500石積みの大型船になって,廻米効率を著しく向上させた。

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