御手洗川(読み)ミタラシガワ

デジタル大辞泉 「御手洗川」の意味・読み・例文・類語

みたらし‐がわ〔‐がは〕【御手洗川】

神社近くを流れていて、参拝人が口をすすぎ手を洗い清める川。京都下鴨神社のものが有名。

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精選版 日本国語大辞典 「御手洗川」の意味・読み・例文・類語

みたらし‐がわ‥がは【御手洗川】

  1. 〘 名詞 〙 神社の近くに流れて、参拝者が手を清め、口をすすぐ川。特に、賀茂神社比叡山のものが有名。みたらし。
    1. [初出の実例]「恋せじとみたらし河にせしみそぎ神はうけずぞなりにけらしも〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)一一・五〇一)

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日本歴史地名大系 「御手洗川」の解説

御手洗川
みたらいがわ

弥山みせん山頂東側に発し、北流して紅葉もみじ谷付近で西北に向きをかえ、厳島神社の北側を経て途中で白糸しらいと川を合し、大元おおもと浦に注ぐ。御霊ごりよう川ともよび、正安二年(一三〇〇)の伊都岐島社未造殿舎造営料言上状案(大願寺文書)には「御川」と記される。古くは御笠みかさ浜に注いでいたが、改修により厳島社の後ろを流れて大元浦近くに注ぐようになった。

「厳島道芝記」に「いにしへよりながれの清きゆへに、神前毎日の御供米を此水にて洗ふ、近き比は川の上まで人家たちならべり、これによつて不浄を避け、今は此川にてあらひ侍らず、しかれども川には御注連縄を引く、そのしるし今に残れり」とある。天正一一(一五八三)の毛利輝元厳島中掟書条々写(厳島野坂文書)に「御手洗川、滝川、塵芥せいしやう仕掛之事」とあり、同一四年の毛利輝元厳島社頭掃除之次第(巻子本厳島文書)には「河之事は、毎月晦日惣島中の者まかり出可申付事」と、島中の住民が清掃に当たり、「観音堂の向ひをくだり、滝川小橋のもとまでは棚守・祝師その外その一とおりの衆として可申付事」「滝川より大願寺辺をは大願寺可申付事」と定めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の御手洗川の言及

【御手洗】より

…神仏を拝する前に,参拝者が体をきよめるため,手を洗い,口をそそいだ場所。伊勢神宮の五十鈴川のように,自然の川であることもあり,そうした場合にその川を御手洗川と呼ぶこともある。《義経記》に〈清川と申は,羽黒権現のみたらしなり〉とみえるのもその例である。…

※「御手洗川」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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