法則の辞典 「循環定理」の解説 循環定理【circulation theorem(Kelvin)】 運動をしている流体の中に,向きをもった閉曲線 C を考える.この線素を dS として,C 上の各点における流速の C 方向の成分を vs としたとき, で定義される量を,C に沿っての循環という.完全流体が,密度が圧力だけの関数であるような状態変化を伴いながら保存力場の中で運動するときには,流体の実質部分に固定してとった閉曲線に沿っての循環は時間的に不変となる.ケルヴィン‐ヘルムホルツの循環定理*ともいう. 循環定理【circulation theorem(Bjerknes)】 流体の実質と一緒に動く閉曲線に沿っての循環 C の変化は,その閉曲線の赤道面への投影面積 S の変化および傾圧の度合いによる.すなわち ただし Ω は地球の自転角速度,p は圧力,ρ は密度,t は時間とし,∮ は閉曲線に沿って反時計回り方向に行うものとする.別名を「循環加速の定理」ともいう. C+2ΩS を絶対循環といい,もし上の式の第二項がゼロであれば絶対循環は保存される. 出典 朝倉書店法則の辞典について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「循環定理」の意味・わかりやすい解説 循環定理じゅんかんていりcirculation theorem 流れの中の任意の閉曲線に沿って,速度ベクトルの接線成分を一周積分したものを,その曲線についての循環という。完全流体中を流体とともに動く閉曲線についての循環は不変であることが証明できる。これをケルビンの循環定理という。この定理はストークスの回転定理を用いると,ヘルムホルツの渦定理と同じ内容であることが示される。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by