微分解析機(読み)びぶんかいせきき

共同通信ニュース用語解説 「微分解析機」の解説

微分解析機

ロケット軌道や船の揺れなどを計算するのに必要な微分方程式を解く機械。式や答え数値でなく、グラフで表すアナログ計算機一種。水平に設置した大きな円盤の上に小さな円盤を垂直に立て、下の円盤が上の円盤を回転させることで計算を行う。当時、一般的だった歯車式計算機を使って人力で計算した場合に比べ、数十倍の演算速度を誇ったが、デジタルコンピューターに取って代わられ、半世紀足らずで姿を消した。

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百科事典マイペディア 「微分解析機」の意味・わかりやすい解説

微分解析機【びぶんかいせきき】

微分方程式を数値的に解くための計算機。1931年V.ブッシュが作った円板の回転を利用する機械式が最初で,以後電気式が多種開発され,またこれらアナログ型のほかデジタル型微分解析機も出現
→関連項目アナログ計算機計算機微分

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事典 日本の地域遺産 「微分解析機」の解説

微分解析機

(東京都新宿区神楽坂1-3 東京理科大学近代科学資料館)
情報処理技術遺産指定の地域遺産(2009(平成21)年度)。
1942(昭和17)年頃東京帝国大学航空研究所が昭和航空計器との共同研究により、微分解析機を試作。東京理科大学近代科学資料館に保存されている微分解析機は、ほぼ同時期に昭和航空計器などにより製作されたと思われるもの

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世界大百科事典(旧版)内の微分解析機の言及

【ブッシュ】より

…また,戦後のアメリカの科学技術政策の基本方向に大きな影響を与えたブッシュ報告(1945)は,この戦時中の経験に基づくものである。 工学者としてのブッシュは,MITで行間自動調整タイプライター,自動ダイヤル式電話などの発明を行い,なかでも有名なものは1930年代初期の微分解析機の発明である。これは,後のコンピューターの原型となった。…

※「微分解析機」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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