徳光屋覚左衛門(読み)とっこうや・かくざえもん

朝日日本歴史人物事典 「徳光屋覚左衛門」の解説

徳光屋覚左衛門

没年:寛永11.6.26(1634.7.21)
生年:生年不詳
江戸前期,越後(新潟県)村上茶栽培の元祖。姓は土田。徳光屋は屋号。「とくみつや」ともいう。村上町の町人元和6(1620)年伊勢参宮の帰途,宇治に茶樹が広く栽培されているのをみて,茶による村上地方の興隆を計画。種子若干を持ち帰り,郷民に栽培法を教え普及はかり,その晩年には茶畑は数十町歩まで発展するに至った。嗣子の2代覚左衛門が事業を継承,寛文年間(1661~73)に蒸して天日で乾燥させたと思われる黒蒸茶を創製すると,村上茶として珍重され,名声隣国におよんだ。さらに茶畑保護のため瀬波海岸に砂防林を設け,今日の発展の基礎を築いた。<参考文献>横山貞祐『村上郷土史物語』

(小村弌)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「徳光屋覚左衛門」の解説

徳光屋覚左衛門 とくこうや-かくざえもん

?-1634 江戸時代前期の商人
越後(えちご)(新潟県)村上の大年寄。元和(げんな)6年(1620)伊勢神宮参詣(さんけい)の際,宇治茶の種子をもちかえり栽培,普及につとめ,今日の村上茶の基礎をきずいた。寛永11年6月26日死去。姓は土田。屋号は「とくみつや」ともいう。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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