朝日日本歴史人物事典 「徳光屋覚左衛門」の解説
徳光屋覚左衛門
生年:生年不詳
江戸前期,越後(新潟県)村上茶栽培の元祖。姓は土田。徳光屋は屋号。「とくみつや」ともいう。村上町の町人。元和6(1620)年伊勢参宮の帰途,宇治に茶樹が広く栽培されているのをみて,茶による村上地方の興隆を計画。種子若干を持ち帰り,郷民に栽培法を教え普及をはかり,その晩年には茶畑は数十町歩まで発展するに至った。嗣子の2代覚左衛門が事業を継承,寛文年間(1661~73)に蒸して天日で乾燥させたと思われる黒蒸茶を創製すると,村上茶として珍重され,名声は隣国におよんだ。さらに茶畑保護のため瀬波海岸に砂防林を設け,今日の発展の基礎を築いた。<参考文献>横山貞祐『村上郷土史物語』
(小村弌)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報