ネール(読み)ねーる(英語表記)Louis-Eugène-Félix Néel

デジタル大辞泉 「ネール」の意味・読み・例文・類語

ネール(nail)

ネイル

ネール(Nehrū)

ネルー

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精選版 日本国語大辞典 「ネール」の意味・読み・例文・類語

ネール

  1. ( Pandit Jawāharlāl Nehrū パンディト=ジャワラール━ )[ 異表記 ] ネルー インドの政治家。北インドに生まれる。英国留学、ケンブリッジ大学卒、弁護士資格取得後帰国。のちインド国民会議派のガンジーの指導のもとに独立運動を展開、一九二九年会議派大会で議長に選出された。第二次世界大戦後も反英独立運動を続け、四七年独立に成功、以後没するまでインド共和国首相の地位にあった。その間五四年対中国との平和五原則、五五年アジア‐アフリカ会議の成功などの功績がある。政治家インディラ=ガンジーは娘。(一八八九‐一九六四

ネール

  1. 〘 名詞 〙ネイル

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネール」の意味・わかりやすい解説

ネール
ねーる
Louis-Eugène-Félix Néel
(1904―2000)

フランス物理学者ストラスブール大学ワイスに師事し、1945年グルノーブル大学教授、1952年フランス海軍科学顧問、1957年グルノーブル原子核研究所理事、国際純・応用物理学会会長(1963~1966)、ルイ・ド・ブロイ財団理事長(1973~1991)、国立科学研究センター(CNRS:Centre National de la Recherche Scientifique)理事(1979~1983)などを歴任。1930年代に、普通の強磁性体とは異なって、原子磁気モーメントの向きを交互に配列し、巨視的には磁性を現さない物質を発見し、反強磁性体と名づけた。また異なる大きさのモーメントを交互に配列するフェリ磁性体もみいだした。そして、ワイスの分子場の理論を発展させ、これらの物質の磁性を説明した。これらの研究により、磁性体は応用目的に応じた生産が可能となり、新たに焼結されたフェライトは、マイクロ波エレクトロニクスコンピュータに革命的な進歩をもたらした。研究は、磁区の理論、微粒子磁石などにも及び、岩石中に析出される磁性微粒子の残留磁化の方向から、地球の磁極が移動した歴史を知ることができることを説明した。1970年、反強磁性強磁性についての基礎的研究により、磁気流体力学を研究したスウェーデンの物理学者アルベーンとともにノーベル物理学賞を受けた。なお、彼は1945年にフランスのグルノーブルで静電気・金属物理学研究所を設立し、その研究所長を務めた。この研究所から1971年に発展的に派生した磁気研究所は、1976年以降、彼のこの分野での功績を記念してルイ・ネール研究所と改名された。

[今野 宏]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネール」の意味・わかりやすい解説

ネール
Néel, Louis-Eugène-Félix

[生]1904.11.22. リヨン
[没]2000.11.17. ブリーブラガヤルド
フランスの物理学者。パリのエコール・ノルマル・シュペリュール (高等師範学校) を卒業後,ストラスブール大学で P.ワイスの指導のもと金属および合金の磁性を研究。 1937~45年同大学教授,45~76年グルノーブル大学教授,54~76年グルノーブル高等技術研究所所長,56~71年同地の中央原子核研究所所長。 1936年反強磁性の理論,44年磁区の理論,48年フェリ磁性の理論を発表。磁化曲線について,高周波磁場における磁気損失と磁化率,磁気余効などの諸研究がある。彼の研究は固体物理学の理論的発展およびコンピュータの記憶素子の改良など応用面にも,重要な寄与をなした。 70年 H.アルベーンとともにノーベル物理学賞受賞。

ネール
Neer, Aert van der

[生]1603/1604. アムステルダム
[没]1677.11.9. アムステルダム
オランダの風景画家。若い頃ホルケムの名門の家に一時奉公したが,1634年頃生地に帰り終生過ごした。初期の作品にはホルケムの画家 A.ホバエルトや R.カンフェイゼ,ハーグの風景画家エサイアス・ファン・デ・フェルデの影響がみられる。アムステルダム周辺の運河を主題にして,月光を浴びた夜景や冬景色,曙や日没時の景色を好んで描き,独自の風景画の世界を展開した。子のエフロ・ヘンドリック・ファン・デル・ネール (1634~1703) はガブリエル・メッツ風の風俗画家として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「ネール」の意味・わかりやすい解説

ネール
Louis Néel
生没年:1904-2000

フランスの物理学者。リヨンの生れ。1932年にストラスブール大学で理学博士の学位を取得,37年には同大学理学部の教授となった。P.ワイスに始まる強磁性体の分子磁場の手法を拡張し,反強磁性ならびにフェリ磁性の概念を確立した。反強磁性体の常磁性体への転移温度をネール温度と呼ぶが,これは彼の名にちなむ。70年には,これらの研究によってノーベル物理学賞を受賞した。
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百科事典マイペディア 「ネール」の意味・わかりやすい解説

ネール

フランスの物理学者。ストラスブール大学で理学博士の学位を取得。同大学教授,グルノーブル大学教授,原子核研究センター所長,グルノーブル・ポリテクニク研究所長。固体物理学の権威で,鉄族元素の酸化物などにみられる反強磁性の理論を確立,さらにフェライトの系列に属する強磁性体のもつ強磁性を発見してフェリ磁性と命名。1970年ノーベル物理学賞。
→関連項目反強磁性

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世界大百科事典(旧版)内のネールの言及

【古地磁気】より

…これに対する解答は40年代から50年代にかけて提供された。L.ネールは48年フェリ磁性の研究,49年,51年には熱残留磁化の研究を相次いで発表し,理論的な基礎を築き,52年イギリスのブラケットP.M.S.Blackettは非常に弱い磁化まで測定できる高感度無定位磁力計を作りあげた。さらに53年R.A.フィッシャーは測定値のばらつきの程度の統計的な解析方法を示した。…

【磁気余効】より

…この現象はディスアコモデーションdisaccommodationとして知られている。 熱ゆらぎ磁気余効はL.ネールによって提唱されたもので,磁化の回転,または磁壁の移動が熱的なゆらぎで起こり,その緩和過程の緩和時間が非常に長いものから非常に短いものまで広い範囲にわたって連続的に分布をもつとして説明をするものである。単一磁区からなる微粒子の集りと考えられるような強磁性体を例にとってみると,それぞれの微粒子の磁化は異方性エネルギーにより定まる安定な方向(容易磁化方向)のどれかに向いている。…

※「ネール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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